ピロリ菌はどうやって検査・除菌する?消化器病専門医が分かりやすく解説
「健康診断の血液検査でピロリ菌陽性と言われた」
「慢性的な胃もたれやキリキリする胃痛が続いている…」
もしかしたら、その不快な症状や将来のがんリスクは、胃の中に住み着いた「ピロリ菌」が原因かもしれません。ピロリ菌は一度感染すると自然に消えることはなく、何十年も胃の粘膜を傷つけ続け、最終的に胃がんを引き起こす最大の原因となります。
しかし、「除菌の薬を飲むと強い副作用があるのでは?」「受診したら必ず辛い胃カメラをされるの?」と不安になり、受診を先延ばしにしていませんか?
奈良県王寺駅近くの南王寺診療所では、「日本消化器病学会専門医」である院長が、患者様の不安に優しく寄り添いながら、確実な検査と痛みの少ない治療を提供しています。「まずは検査について知りたい」「今の胃の状態を相談したい」だけでも大歓迎です。
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)とは?
ピロリ菌(正式名称:ヘリコバクター・ピロリ)は、ヒトの胃の粘膜に生息する、らせん形をした細菌です。
本来、胃の中は強力な胃酸(塩酸)で満たされているため、通常の細菌は生きていくことができません。しかし、ピロリ菌は「ウレアーゼ」という特殊な酵素を出し、胃の中の尿素をアンモニアに変えることで、自分の周りの胃酸を中和する「アルカリ性のバリア」を作り出して生き抜いています。
ピロリ菌が分泌する毒素やアンモニアによって、胃の粘膜は常に炎症を起こした状態(慢性胃炎)になります。これが長期間続くと、粘膜が徐々に薄く萎縮していく「萎縮性(いしゅくせい)胃炎」へと進行します。この萎縮した粘膜こそが、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、そして「胃がん」を発生させる格好の温床となってしまうのです。
ピロリ菌の主な症状
ピロリ菌に感染していても、初期の段階や体質によっては全く自覚症状が現れない「潜伏状態」の人も多くいます。しかし、菌による攻撃が慢性化すると、以下のような胃のSOSサインが現れ始めます。
・繰り返すみぞおちの痛み
特に食後や空腹時に、みぞおちのあたりがキリキリ、ジンジンと痛む。
・慢性的な胃もたれ・お腹の張り
少し食べただけでお腹がいっぱいになる、常に胃が重くすっきりしない。
・吐き気・食欲不振
朝起きたときに胃がムカムカする、食欲がわかない。
・原因不明の貧血
ピロリ菌によって胃の粘膜から目に見えない微量な出血が続くことで、進行性の貧血を招くことがあります。
「市販の胃薬を飲めば治るから」と自己判断で放置を続けると、裏で胃炎が静かに進行し、ある日突然、胃潰瘍による大出血やがんの発見につながるリスクがあります。
ピロリ菌の原因
ピロリ菌の感染経路は、主に経口感染であると考えられています。特に幼少期の衛生環境が十分に整っていない時代や地域において感染しやすい傾向があります。かつての日本では、井戸水や乳幼児期の食物などからの感染が多かったとされていますが、現代では衛生環境の改善により新規感染者は減少しています。
具体的な感染経路としては、ピロリ菌に感染している家族からの感染が挙げられます。例えば、感染者の便中に含まれるピロリ菌が、手などを介して口に入ってしまう「糞口感染」や、感染者の唾液を介して感染する「経口感染」が考えられます。また、乳幼児期に離乳食などを介して親から子へ感染するケースも報告されています。そのため、ご家族にピロリ菌感染者がいる場合や、過去にそのような環境で育った方は、ご自身も感染している可能性を考慮し、検査を検討することをおすすめします。
ピロリ菌の治療
ピロリ菌の治療は、主に「除菌療法」と呼ばれる薬物療法によって行われます。この治療法は、複数の薬剤を同時に服用することで、胃の中に生息するピロリ菌を効果的に死滅させることを目的としています。除菌療法は、胃の病気の改善だけでなく、将来的な胃がんのリスク低減にもつながるため、ピロリ菌感染が確認された場合には積極的に推奨されます。
具体的な除菌療法としては、一般的に「プロトンポンプ阻害薬」という胃酸の分泌を抑える薬と、2種類の「抗菌薬」を組み合わせた3剤併用療法が主流です。これらの薬を1日2回、7日間服用します。治療中は、指示された通りに薬を服用することが非常に重要です。もし途中で服用を中止したり、飲み忘れたりすると、除菌が不成功に終わる可能性があります。治療後には、除菌が成功したかどうかを確認するための検査を行います。万が一、初回で除菌が不成功だった場合でも、薬の種類を変更して再度除菌療法を行うことが可能です。南王寺診療所では、患者様の状態に合わせた適切な除菌療法を提案し、安心して治療を受けていただけるようサポートいたします。ご自身の胃の健康のためにも、ぜひ一度ご相談ください。