上部消化管の疾患
急な胃痛・長引く胃痛。原因を知って、正しく対処しましょう
皆さま、こんにちは。南王寺診療所の所長です。
「みぞおちが痛い=胃が悪い」と思われがちですが、実はこの場所には多くの臓器が関わっています。今回は、みぞおちの痛み(心窩部痛)の原因となる代表的な病気についてお話しします。
みぞおち周辺にある臓器たち
みぞおちの近くには、胃のほかにも「十二指腸」「膵臓(すいぞう)」「胆嚢(たんのう)」「肝臓」、そして少し離れたところには「心臓」があります。そのため、痛みの原因もさまざまです。
考えられる主な原因(鑑別疾患)
1. 胃や十二指腸の病気
特に多い原因です。
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍: 食後や空腹時にキリキリ痛みます。
- 逆流性食道炎: 胸やけを伴い、みぞおちから胸にかけて熱い感じがします。
- アニサキス症: 生魚を食べた後の激痛が特徴です。
2. 胆嚢・膵臓の病気
油っこい食事の後に痛みが出やすいのが特徴です。
- 胆石症・胆嚢炎: 右上の腹部からみぞおちにかけて、差し込むような強い痛みが出ます。
- 膵炎: 背中まで突き抜けるような強い痛みが特徴です。お酒の飲みすぎなどが原因になることがあります。
3. 心臓の病気(要注意!)
胃の痛みと間違われやすい、最も注意が必要なケースです。
- 心筋梗塞・狭心症: 心臓の血管が詰まったり狭くなったりすると、胸だけでなく「みぞおちの痛み」として感じることがあります。歩くと痛みが強くなる、冷や汗が出る、といった場合は至急の受診が必要です。
4. その他
- 虫垂炎(もうちょう): 最初はみぞおちが痛み、時間が経つにつれて右下腹部に痛みが移動していくことがよくあります。
受診の際にお伝えいただきたいこと
原因を早く見つけるために、診察室で以下のことを教えていただけると非常に助かります。
- いつから痛いか: 突然か、じわじわか。
- どんな時に痛むか: 食後か、空腹時か、動いた時か。
- 他の症状はあるか: 吐き気、発熱、背中の痛み、便の色など。
南王寺診療所からのメッセージ
「ただの胃痛だろう」と思って市販薬で様子を見ていても、なかなか治らない、あるいは悪化するという場合は、胃以外の臓器がサインを出しているのかもしれません。
当院では、問診に加えて血液検査や腹部エコー検査、胃カメラ検査などを行い、痛みの「本当の原因」をしっかりと探ります。心臓や大きな血管の病気が疑われる場合は、迅速に専門病院へご紹介する体制も整えています。
みぞおちの違和感を放置せず、まずは一度、詳しいお話を聞かせてください。